2019年10月16日水曜日

Ene-1 Challenge 2019。

結果が良かった時ぐらいはレースレポート書きましょうかね・・・。

Ene-1 GP改め、Ene-1 Challenge(ソーラーカーレースとイベント統合)ですが、15mk-2での鈴鹿参戦も2015年から5年目となります。
はじめて出した時はベニヤのフレームも珍しがられたものですが、最近はベニヤフレームが沢山参加してることもあって、全く珍しがられません・・・。
エコランの構造材料は設計次第で何でも良いことの証明になってるのかな~??

photo by R.Sakaida(Team Polaris)
















●車両準備
車両面に関しては昨年から大きな変更は無し。
モータ周りは、モータ:ミツバM0348+コントローラ:小野塚精機OMC4850+電流制御:浪越エレクトロニクスMPC-520で変わらず。
モータの速度設定が明らかに速いんですが、色々あって巻線の余裕が取れず諦めました。。 てか、市販状態のM0348で攻め攻め仕様なので、何も変えなくても十分狙えます、上位。













昨年、モータ周りの改良と共に車体側の改良として、視界向上、車両バランス改善を行い、少しでもドライバーに優しいクルマ作りを目指しましたが、今年は一歩進め、ドライバー体重調整用のバラストを新規製作。ちょうど空いていた空間に収まるようなL字形のバラストを準備しました。これにより、4.4kg分が200mmほど後によることでバランス改善が見込めました。これが一番の変更点かも・・・。
前が重いクルマなので、後に重心を持っていくとテキメン、コーナリング時の安定性に繋がります。


●今年のプラン
ドライバーは昨年から引き続き、増井君。エンジンエコランではチームファイアボールのエースドライバーとしての活躍で実力も付いてきていますので特に心配はナシです。

昨年は物凄くベターに走らせましたので、今年はもう一歩攻めて走行パターンを大きく振って走らせてみたいなというところ。
昨年の実績等を元にベースデータを作り、試走会で試してみることにしました。


●試走会
前述のプランを元に走行パターンを色々試す予定。私としてはやって欲しいことは言うけど、やり方はドライバーが判断する感じで。
 
















とりあえずは昨年のパターンでチェックラップをし、そのあとアタックの予定でしたが・・・パンク・・・。
ついでに、パンクの際の過電流でモータと浪越の間に入っているダイオードが破損からの浪越のFETがお亡くなり・・・。

そのあと、ちょろっとは走りましたが、データと言うデータが取れず。
久々に試走会をマトモに走れず凹む・・・。


●レース準備
試走会後はメンテして終わり~と思ってましたが、トラぶった分は直さないとどうにもならないので、修理。ダイオード(理想ダイオード)はFETを載せ変えてok。浪越は浪越エレクトロニクス様に対応頂き、FET載せ変え。ありがとうございました。

パンクでフロアに貼り付けてあるエアロパーツが削れて破損してました。テキトーにテープでも貼って誤魔化そうかとおもってましたが、よりによってケブラ繊維入りなのでボサボサでどうにもならず・・・直前の日曜日にレイアップし、レース前日にピットでトリムと取り付けを行いました。











 




●レース前日
例によって(?)、レース前日に鈴鹿入りして前日車検と車両メンテを行います。

たくえこ君とkaito君(所属チーム違う・・・w)に朝からファクトリに来てもらっ て、積み込み、出発。お昼頃には鈴鹿入り。












とりあえず、前日車検の準備(タイヤに空気入れるくらい・・・)して 、サクッと車検を通す。














車検が終わってから、設営して、千葉黎明さんにお借りしたチームスイ ートで昼寝して、アライメント取って・・・。
あ、チームファイアボール式アライメントテスタを今回から投入しまし た。













スライドレール上に乗ってるローラをタイヤで空転させてサイドスリッ プを計測します。
サイドスリップが発生している状態だと、ローラがスライドレール上を 移動してしまいます。













昨年もそうですが、暑くて作業にならないので、木本工作所、nn-tech、ウチのメンツで夕食行ってから、ピットに戻って残業。
細かなメンテや、暑くなると剥がれる窓枠の修正、ゼッケン貼り等々。
私は宿に戻ってから電池の充電をして終了。




●レース当日
戦略としては昨年より攻めた走行パターンを取りたいところですが、試 走会をマトモに走れなかったこともあり、1stアタックを気持ち抑え気 味で行くよう指示。
電池の充電はそれなりイケてる自信アリなので、 2nd、3rdアタックでちょっと頑張る感
じ。













1stアタックの出走順は並んだ順なのでちょっと頑張ってポール獲得。でも、木本さんに譲るw 2番手からスタート。
1stアタック前に、たくえこチーフメカから前輪のガタ大きくないです か?と言われ、なんかそんな気もするけど、ヤバい程ではなく、今さら直せないのでそのまま走らす。
5分台には入れたい気もしたけど、6分フラット。電力も結構余ってるので、これぐらいなら挽回できる範囲と判断。
1stアタックと2ndアタックの合間で全バラし、タイロッドのロッドエン ドを交換。ガタはあんまり変わらない。どうやら気のせいらしい・・・ (汗

ウチのクルマはカウルまで外さないとタイロッドにアクセスできない・・・。
























アライメントを取って、タイヤの空気入れで手こずってるとかなり時間が押しちゃったので慌てて走ってスタートエリアまで。

さて、2ndアタ ック。
3rdアタックで投入電力を上げようと思っても、電流を上げた分電圧が 大きく下がっちゃうので、攻めるなら2ndと言うところですが、ワット メータが落ちてしまい消費管理が出来ない状態。タイムは5分台で良い 感じ。消費も、もう一歩行けたかな?だけど、いいや。

3rdアタックに向けてロガーで電池の使い具合を確認。十分に余裕はあるのでガンガン使うように指示。














今年は我が家の畑でスイカが豊作なので景気付けにスイカ割り。
隣のピットの熊本大学の学生さんに手伝ってもらいました。
スイカ割りするときはビニール袋に包んでから割ると、スイカも周りも 汚れないから良いですよ・・・。















3rdアタックはもうドライバーに頑張ってもらうしかないんですが、またワットメータが不動・・・。電池ケースがおかしいのかも。仕方ないので電流はアナログメータで合わせて貰って走行。タイムは6分01秒で2番手。良い感じ~。



完走!パルクフェルメ入り!













結果的には総合2位。ドライバーも頑張って攻めての結果で、1位の木本さんのタイムにはちょっと及ぶ気がしないので満足すべき結果ですね。


2019年4月21日日曜日

エコマイレッジ ディスクブレーキ対応法

2020年からエコマイレッジチャレンジ(とりあえず、地方大会のみ?)でディスクブレーキが義務づけされるということで、その対応方法の一例を私の知ってる範囲で書いておきます。

制動力・安全性確保がレギュレーション改定の趣旨なのは理解できますが、個人的には『ディスクブレーキ』に固定する意味が理解できません。ディスクブレーキが絶対に制動力を確保できる手段では無いと考えます。おそらく、油圧リムブレーキ(マグラHS-33とか)の方が確実に制動力を担保できるでしょう・・・。
部品の種類を規制するなら『ディスクブレーキ』に縛るんじゃなくて、『油圧ブレーキ』に縛るべきだと思ってます。

しかし、エントラントのブレーキに対する意識に差があるのは事実です。以前より、ブレーキを安全部品として捉えていないのか、軽視している方がおられるのも事実です。
エントラントはより安全な車両を製作する義務があります。

と言うことで、ディスクブレーキしか使えなくなったとして、自転車用部品から選定する方法を書いておきます。
どうすればいいのかわからず悩んでる方に参考になれば幸いです。




1.部品選定

先ずは自転車の部品を勉強することが大事です。
勿論、ディスクブレーキの部品を知っておく必要があります。

1-1.ブレーキディスクの種類

自転車用のブレーキディスクは外径が、φ120、140、160、180、203 [mm]のものが一般的に流通しています。
ディスク厚みは大体2ミリで、φ140~がMTBで一般的に使うサイズで流通量が多いです。



 

ブレーキディスク固定方法は大きく2つの規格があり、

・シマノ規格センターロック
・P.C.D.44mm 6×M5で固定するもの(汎用規格、内径33 [mm])


です。


※シマノSLXの例 (出典:シマノ社website)


センタロック
6穴

参考




1-2.ブレーキキャリパ

ブレーキキャリパは大きく分けて、

・ワイヤ式
・油圧式
・上記のミックス


ワイヤ式のブレーキは比較的安価で、パッドクリアランスが広めに取れる気がします。

私のオススメは油圧式です。制動力がドライバーの握力に依存せず、コントロール性も高いです。

キャリパの横方向(軸方向)位置を調整するときや、パッドクリアランスを調整するときはパッドスペーサを使用します。
(ZDP Shopで売ってます)



2.ハブの選定

当たり前ですが、ホイール側はブレーキディスクが取り付けることが出来るハブが必要です。
旋盤があれば自作することは容易ですので、市販品から選定するとして書いていきます。

現在、下記のタイプのハブを使用している場合はディスクブレーキの移行が容易です。

・MTB用ハブ : 勿論、ブレーキディスク取り付けが出来るもの
・ピスト用両切ハブ : ハブ両端にカセット(スプロケット)を付けるためのおねじが切ってあるもの

 

MTB用のハブならもちろん、何も考えずに直接ブレーキディスクが取りつきます。
シマノのハブであればシマノ規格のディスクであることが多いかと思います。
シマノ規格ハブに6穴ディスクを取り付けることは出来ます(アダプターが売ってます)。

上記以外のハブを使用している場合はハブを変更して、ホイールを組み直す必要があります。
ホイール組の話はここでは割愛しますが、自分でホイールを組む気力のある方はネットで別途検索してみてください。自分でやる気が無い方は自転車屋さんに頼んでください。
自転車屋さんからすると大変割りの悪い仕事なのは理解して依頼します。
引き受けてもらえるかどうかは自転車屋さん次第です・・・。




3.キャリパの取り付け

弊チームでは以前、電気エコラン用に下図のようなキャリパの保持を行いました。
(この場合、キャリパは1ヶです)























後輪シャフトにキャリパを付けるブラケット(プレート)を取り付け、 ブレーキキャリパが車軸にぶら下がっているような構造です。

この構造ですと、ハブ(ブレーキディスク)とブレーキキャリパの横方向の位置関係は間違いなく担保されます。

このままでは回転方向に支えが無く、ブレーキとして成立しないのでトルクロッドでブレーキのトルクを受けます。プレートに対しねじれ(横方向の力)が掛からないよう、トルクロッドの端部はロッドエンドを使用するなどし、動きに自由度を持たせます。もしくは、プレートに回り止めを設けてフレームで直接回転を受けるなどします。

てか、バイクの後輪は同様の構造ですね・・・。




4.その他

以前にZDP池田さんに教えて頂きましたが、ブレーキディスク修正ツールは持っておくと便利です。
ブレーキディスクを自作していたころは材質が悪くよく歪んだのでよく使いましたが、最近はあんまり使わんけど・・・。

Park Tool DT-2



以上、知ってることつらつら書いただけなので、突っ込み等、大歓迎です。
質問もあればどうぞ。