結果は3位でした。昨年が1位だっただけに見かけ上ダウンですが、スーパー棚ボタだっただけ なので3位で十分満足です。
ドラは梶原。初めてですが、Eg、EVの経験もそこそこありますし、まぁ、なんとかなるで しょう。
ただ、慣れてないことは確かなので練習走行15分と予選30分はみっちり当てる予定で。
今年は昨年の90分→60分に。ただし電池の量は同じ。
昨年の実績を元になんとなく計算すると目標周回数は40周くらい。昨年比15秒は早いラップタ イムで走らないといけない。
昨年はさばいばる・・・
一応、関西勢なので当日移動。5時過ぎにファクトリを出て7時半過ぎに到着、設営。
ゆるく車検を通して、練習走行。
ラップタイムはマズマズ予定通りで行けそう。電力消費はちょっと多いかな?
バランスするところを探す。
予選は30分間。セッション中のベストタイムで決勝のスターティンググリッドを決める感じ。
グリッドには拘らず、30分間連続で決勝の走行パターンを確認する作業。
さて、走行パターンを修正していくか・・・と思ったとこで後輪がパンク。ハーフスピンして 停車。
今回のレース前にチェーンラインを修正するためにシム調整して
タイヤの位置が数ミリ横にズレたのが原因かな??
タイヤ・チューブ交換と合わせてカウルの開口部をリュータなどで切り取り対策。
あと、練習走行の段階から速度設定が速かった(無負荷40km/hくらい)のでギア比を落とす作業 。
ギア比を落としすぎるとどうしょうも無くなる(速い分にはボリューム絞れば良いので)ので ちょっと速目が
良いですが、練習走行・予選で走行パターンに自信を持てるレベルでは無かったのでビビッて 、
ドライブ側のスプロケを1ランクダウンに留めた。チェンの長さはそのままでいけた。ラッキ ー。
序盤の段階で最高速+1~2km/h程度が頃合かな?
決勝スタート。
序盤から第3グループのトップ? タイムと消費はまずまずバランスしてるので無理なくとい う感じでは
ありますが、走行パターンを変えてみたりしてもあまり変わらず、と言うか悪くなるので結局 初期の走行パターンに戻す。コー
スが狭くてテクニカルなので多少のタイムと消費のバラつき は許容する必要があります。
序盤からタキオン、アヒルさんの第1グループ、ミツバ、エンドレス、EVFの第2グループか らはジリジリ離されますが、
第2グループにはラップされるほどは離されない感じ。
中盤、ミツバさんとエンドレスさんのペースがちょっと落ちてきた。序盤に飛ばしすぎたのか な?
EVFさんは終盤でパンクのようでピットで修理中。
終盤で積算電力は予定よりトータルで1Whとか余り気味。
昨年と同じ感じで気が付いたら表彰台圏内を走行中。電気をギリギリまで使い切ったと言うレ ベルではありませんが、そこそこ
電気を使ってゴール。タキオンとアヒルさんは2周先。
ちょっとどう足掻いても追いつける差ではなかったので、棚ボタ込みですが、今回の結果は満 足です。
モータのチョイスがミスってたり、ラップタイムがもう数秒速ければな~と言うとこあります が、この辺は次回の課題です。
2018年10月13日土曜日
2018年8月10日金曜日
Ene-1 GP SUZUKA2018。
2018年鈴鹿仕様のポイント。
いつのまにか15mkで鈴鹿も4年目。
鈴鹿はこれまで過去3年マトモに走れた記憶がない(1年目:スピン、2年目:スーパーオー バーペースによりコースレコード
樹立、3年目:1周目の1コーナでスピン→リタイヤ)
ので、3本を無難にまとめるのが目標・・・。
●昨年との変更点(改善点)
車両の整備性、信頼性upとドライバーが安心してコースを攻められるようになることを重視しました。
・フロントフェンダ作り直し
剛性が無くて整備性が悪かったりイマイチだったのを積層構成見直し等で剛性アップ。
・フロントフェンダに小窓追加+ミラー位置変更
斜め前方の見切りを良くするために小窓とミラーの位置(フェンダ→アッパカウル固定)変更。結構変わると思います。
・ハンドル周り作り直し
昨年作り直したハンドルが昨年の関西GPで折れたので、構造設計から見直して再製作。 ついでに、最小限の作業でハンドル高さと前後位置の調整が出来るようにした(複数ドライバー対応)。
前後方向は長穴でハンドルバー~リンクがごっそり動く構造、高さ方向はハンドルバーの下にシムを入れて調整します。
・しっぽ作り直し
しっぽ(テールカウル)が大分くたびれてきたのと、補修補修でなんか重くなってるので 再製作。型を昨年借りてきて1年くらい放置してましたが・・・。
1k相当目付けの開繊カーボンを使いましたがwet積層の限度と、色々しっかりと作りすぎ?
が、特に軽くなった訳でもなく・・・ちょっと綺麗になったぐらいか・・・?
・ヘルメット変更
ヘルメットをアライのHyper-T proに変更。コンパクトなヘルメットなのでドライバーの頭の位置も少し上がって、視界が良くなった・・・ハズ。
・ブレーカ再選定
新たに4種類ほど5Aブレーカを選定して、放電試験。以前より落ちにくいブレーカに変更。
・鈴鹿用DDモータの製作
これまでのキットモータ+チェン駆動で特に気になっていたのが、チェンの駆動ロス。シングルフリーも付いてたので、その分のロスも含めると結構、効率が落ちていたのではないかと思われます(特に高速域)。
ミツバ鈴鹿用DD (M0324、M0348)をベースに製作し、速度設定を変更した巻線仕様としています。コア厚が25mmなので、トップチームが多く使っている30mmコアよりも低負荷よりの効率が 良いのかな?と言うのと、平角線のマグネットワイヤを使うことで高負荷よりの改善を狙い ました。が・・・ちょっと速度設定が速過ぎた。
DDの最大のメリットは左右バランスの改善かもしれません。意外と減速モータは左右バランスが悪いです。
色々と準備したレースでしたが一番大きかったのは、試走会までに大物作業(特にFRP関係)を終わらせてレースまでに余裕 を作ったことだったと思います。
ま、なんだかんだで3本まとまって走れたし、ある程度の結果(総合4位、クラス3位)も付いてきたので、めでたし、 めでたし。
いつのまにか15mkで鈴鹿も4年目。
鈴鹿はこれまで過去3年マトモに走れた記憶がない(1年目:スピン、2年目:スーパーオー バーペースによりコースレコード
樹立、3年目:1周目の1コーナでスピン→リタイヤ)
ので、3本を無難にまとめるのが目標・・・。
●昨年との変更点(改善点)
車両の整備性、信頼性upとドライバーが安心してコースを攻められるようになることを重視しました。
・フロントフェンダ作り直し
剛性が無くて整備性が悪かったりイマイチだったのを積層構成見直し等で剛性アップ。
・フロントフェンダに小窓追加+ミラー位置変更
斜め前方の見切りを良くするために小窓とミラーの位置(フェンダ→アッパカウル固定)変更。結構変わると思います。
・ハンドル周り作り直し
昨年作り直したハンドルが昨年の関西GPで折れたので、構造設計から見直して再製作。 ついでに、最小限の作業でハンドル高さと前後位置の調整が出来るようにした(複数ドライバー対応)。
前後方向は長穴でハンドルバー~リンクがごっそり動く構造、高さ方向はハンドルバーの下にシムを入れて調整します。
・しっぽ作り直し
しっぽ(テールカウル)が大分くたびれてきたのと、補修補修でなんか重くなってるので 再製作。型を昨年借りてきて1年くらい放置してましたが・・・。
1k相当目付けの開繊カーボンを使いましたがwet積層の限度と、色々しっかりと作りすぎ?
が、特に軽くなった訳でもなく・・・ちょっと綺麗になったぐらいか・・・?
・ヘルメット変更
ヘルメットをアライのHyper-T proに変更。コンパクトなヘルメットなのでドライバーの頭の位置も少し上がって、視界が良くなった・・・ハズ。
・ブレーカ再選定
新たに4種類ほど5Aブレーカを選定して、放電試験。以前より落ちにくいブレーカに変更。
・鈴鹿用DDモータの製作
これまでのキットモータ+チェン駆動で特に気になっていたのが、チェンの駆動ロス。シングルフリーも付いてたので、その分のロスも含めると結構、効率が落ちていたのではないかと思われます(特に高速域)。
ミツバ鈴鹿用DD (M0324、M0348)をベースに製作し、速度設定を変更した巻線仕様としています。コア厚が25mmなので、トップチームが多く使っている30mmコアよりも低負荷よりの効率が 良いのかな?と言うのと、平角線のマグネットワイヤを使うことで高負荷よりの改善を狙い ました。が・・・ちょっと速度設定が速過ぎた。
DDの最大のメリットは左右バランスの改善かもしれません。意外と減速モータは左右バランスが悪いです。
色々と準備したレースでしたが一番大きかったのは、試走会までに大物作業(特にFRP関係)を終わらせてレースまでに余裕 を作ったことだったと思います。
ま、なんだかんだで3本まとまって走れたし、ある程度の結果(総合4位、クラス3位)も付いてきたので、めでたし、 めでたし。
2018年2月7日水曜日
2017まとめ。
すっかり放置しているため1年分まとめて更新ですw
メイン車両の15mk-2は今年は空力関連を中心に改良を行いました。
ノーズ下のエアロや・・・

Rrフェンダ等々・・・。

失敗作のRrカウル・・・。
5月に下総高校のエコラン用風洞をお借りしてアイテムの効果確認を行いました。
各レースの結果は下記の通り。
・鈴鹿
15mk-2(赤):リタイヤ
14mk-1(ベニヤ、KV-2):リタイヤ
赤いのは1stアタックでスピン、ベニヤは3rdでパンク。
車両の性能的にも??でした・・・。
・WEM関西
優勝
久しぶり(2015 NATS以来)のWEM GP+初開催レースでイマイチ慣れない部分もありましたが、灼熱のサバイバルレースをドライバーの根性で走りきっての優勝でした。
なお、車両性能は・・・。
・もてぎ
KV-1総合6位 (タイムアタック:2位)
こちらも2年ぶりのもてぎ。
前回との大きな変更点はモータをキットモータからDD(M0124)に変更したぐらいですが、
速度設定も効率域もトルクもほぼ同じなので
モータの効率向上分記録を伸びることを期待してたのですが・・・。
なんかイマイチ・・・。
タイムアタックは走行パターンがバッチリで2位だったのがせめてもの救いでした。
今年もボチボチ頑張ります。
*おしらせ*
今年のソーラーカー製作講習会で「電気エコラン用木製モノコック車両の製作と実戦」と題して発表させていただきます。木製モノコックの作り方から設計のポイントを解説します。
締め切りは2月17日のようですのでお近くの方は是非。
詳細はZDPにて http://zdp.co.jp
メイン車両の15mk-2は今年は空力関連を中心に改良を行いました。
ノーズ下のエアロや・・・

Rrフェンダ等々・・・。
失敗作のRrカウル・・・。
5月に下総高校のエコラン用風洞をお借りしてアイテムの効果確認を行いました。
各レースの結果は下記の通り。
・鈴鹿
15mk-2(赤):リタイヤ
14mk-1(ベニヤ、KV-2):リタイヤ
赤いのは1stアタックでスピン、ベニヤは3rdでパンク。
車両の性能的にも??でした・・・。
・WEM関西
優勝
久しぶり(2015 NATS以来)のWEM GP+初開催レースでイマイチ慣れない部分もありましたが、灼熱のサバイバルレースをドライバーの根性で走りきっての優勝でした。
なお、車両性能は・・・。
・もてぎ
KV-1総合6位 (タイムアタック:2位)
こちらも2年ぶりのもてぎ。
前回との大きな変更点はモータをキットモータからDD(M0124)に変更したぐらいですが、
速度設定も効率域もトルクもほぼ同じなので
モータの効率向上分記録を伸びることを期待してたのですが・・・。
なんかイマイチ・・・。
タイムアタックは走行パターンがバッチリで2位だったのがせめてもの救いでした。
今年もボチボチ頑張ります。
*おしらせ*
今年のソーラーカー製作講習会で「電気エコラン用木製モノコック車両の製作と実戦」と題して発表させていただきます。木製モノコックの作り方から設計のポイントを解説します。
締め切りは2月17日のようですのでお近くの方は是非。
詳細はZDPにて http://zdp.co.jp
2017年1月9日月曜日
making of ベニヤカウル。
ずいぶん前にプライベートのFBに投稿してたやつの転載です。
去年のエネワンにベニヤカウルの車両で参戦してKV-2クラス優勝+デザイン賞なんて初めて頂いたのでちょこっと。
正直、ベニヤでカウルはお金も手間も掛かってネタ以外の何でもないのでオススメ出来るものではありませんが、2次曲線のカウルでもそこそこ行けるんだ~と思って頂ければ。
色々あって6月末から2年前に製作した木製フレームに合わせてカウルを製作する必要が出たのですが、今更プラダンとかはあり得ないので以前からやってみたかったスティッチ&グルー工法(の真似事)でカウルを作ることにしました。
やりたかった事できてラッキーくらいしか考えてなくて、普通に走ればクラス3位くらいで良いや程度の気合いでした・・・。
鈴鹿ではオール木の車体で随分珍しがって頂けたのですが、業界的には池上さんの電池くんやGHクラフトチームの車体で木製フルモノコックがトライされてて二番、三番煎じ感は否めないと思っているのですが・・・w
先入観(?)で木だと重くて弱いイメージを持たれている方も多いのですが、木材はCFRP等に比べて最良ではないと思いますが、工夫次第で良いものが作れる材料だと思ってます(偉そうに言えるほど使いこなせていません)。
特に、今回のような二次曲面カウルを製作する際は繊維で持っている材料なので捻り形状も作りやすく、思い通りの二次曲面カウルが作れる良い素材だと思いました。
長くなりましたが、ここから本題です。
スティッチ&グルーはカヤック、ヨットなんかの業界で型を成型せずに船体を手軽に作る工法として個人ビルダーを中心にメジャーな手法(のよう)です。
船体の展開形状に切り出した合板と合板同士を銅線で縒って縫い合わせ(スティッチ)→継ぎ目をパテで整形→ガラスクロステープをFRP積層(グルー)→表 面をガラスクロスで積層してコーティングと言う流れが基本らしいのですが、エコランカウルは水に浮かぶ訳では無いので継ぎ目のパテは出来るだけ省略、表面 の処理もエポキシ樹脂だけを塗るようにしました。また、ガラスクロスの手持ちが殆ど無いのでカーボンクロス使いました。
材はカヤックなんかでは3mm前後厚の板を使うようですが、エコランカウルなので耐水性とかも抜きで軽く!と言うことでシナベニヤの中で曲げベニヤと呼ばれる物で最薄の1.6mm厚の板をチョイスしました。
サブロク定尺で4枚買いましたが、12mmのランバーコアと3mmのラワンベニヤがオマケで付いてきましたw
見よう見まねで始めましたが、どっからどう考えても展開図の作図精度と切り出し精度が完成精度に影響するので珍しく3D CADでカウルの絵を描いて展開図を作成しました。2D CADで感性で翼型を描いたのをベースに断面図を作図し、3D CADに断面図を移して面を貼りました。なんか面倒くさいけど、3D慣れしてないのでこれが一番マシ・・・。
ベニヤは予め余裕を見てカットしておき、2枚を継いで長い材料を作ります。継ぎ方はスカーフジョイントがメジャーなようですが、時間が無くて面倒なので(?)斜めにカットして突き合わせ、CFテープをFRP積層して継いどきました。
作図した展開図をセブンイレブンのゼロックスでコピーしてベニヤに貼り付け切り出します。(印刷屋さんで大きく印刷すれば良いんですが、土日やってない・・・。)
切り出しはピラニアソーで行ったあと、左右の板を重ねてクランプしてからサンダで外周を削って仕上げ。
アンダカウルはスティッチ&グルーではなく、3mmの化粧ベニヤで作ったフロアに側板をグルーガンで仮止めしたあと、樹脂パテで角にフィレット →CFテープでオーバレイアップ。硬化後、4mmのシナベニヤで作ったフランジを5分間エポキシで接着→樹脂パテ→CF。
アッパカウルは出来上がったアンダカウルにアッパ用のフランジ板を仮固定し、下部をアンダカウル同様に製作。
さて、ここからスティッチ&グルーですよ。
先に作ったアッパカウルの下部にパネルを銅線(1.0mmのマグネットワイヤ)でスティッチしていきますが、形状が保持出来なかったのでスタイロで断面形状を作って接着しておきます。
スティッチのやり方は完全手探りでしたが、出来る限り外より(5mm以内)、板が薄くて波打つのでピッチは細かい(20~30mm)方が良かったです。銅線をよっていくとあら不思議、形が決まってきます。
あとは内側の角をCFテープを積層。アッパは殆ど鈍角なので樹脂パテも省略。
側面から組み立てていき、屋根は左右2枚を先に仮スティッチしたものを本体に合わせて組み立てました。CFテープが硬化後、銅線をほどき、抜き取るor切るで処理します。
最後に裏、表面にエポキシ樹脂を塗ってコーティング仕上げとしました。
コーティングが硬化したら窓を超音波カッタで切り抜き→抜きカスをガイドに窓用の樹脂板を切り出し→両面テープとビニテで窓貼り。
あとはフレームとの固定具、アッパ~アンダを固定するフック、ロックなど作って完成。
中身のフレームは14年に製作したもの (14mk1)をベースに一部補強と、特電モータに合わせて設計されていたリア周りをミツバ Kt-Mに合わせて作り直したくらい。
特別な所はこれと言ってナシ。
7月に入ってから材を切り始める無謀なスケジュールでしたが、皆様の協力を頂いて何とか完成しました・・・。新しい工法を試すことで得られることは多かったですね!
去年のエネワンにベニヤカウルの車両で参戦してKV-2クラス優勝+デザイン賞なんて初めて頂いたのでちょこっと。
正直、ベニヤでカウルはお金も手間も掛かってネタ以外の何でもないのでオススメ出来るものではありませんが、2次曲線のカウルでもそこそこ行けるんだ~と思って頂ければ。
色々あって6月末から2年前に製作した木製フレームに合わせてカウルを製作する必要が出たのですが、今更プラダンとかはあり得ないので以前からやってみたかったスティッチ&グルー工法(の真似事)でカウルを作ることにしました。
やりたかった事できてラッキーくらいしか考えてなくて、普通に走ればクラス3位くらいで良いや程度の気合いでした・・・。
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14mk1_2016 |
鈴鹿ではオール木の車体で随分珍しがって頂けたのですが、業界的には池上さんの電池くんやGHクラフトチームの車体で木製フルモノコックがトライされてて二番、三番煎じ感は否めないと思っているのですが・・・w
先入観(?)で木だと重くて弱いイメージを持たれている方も多いのですが、木材はCFRP等に比べて最良ではないと思いますが、工夫次第で良いものが作れる材料だと思ってます(偉そうに言えるほど使いこなせていません)。
特に、今回のような二次曲面カウルを製作する際は繊維で持っている材料なので捻り形状も作りやすく、思い通りの二次曲面カウルが作れる良い素材だと思いました。
長くなりましたが、ここから本題です。
スティッチ&グルーはカヤック、ヨットなんかの業界で型を成型せずに船体を手軽に作る工法として個人ビルダーを中心にメジャーな手法(のよう)です。
船体の展開形状に切り出した合板と合板同士を銅線で縒って縫い合わせ(スティッチ)→継ぎ目をパテで整形→ガラスクロステープをFRP積層(グルー)→表 面をガラスクロスで積層してコーティングと言う流れが基本らしいのですが、エコランカウルは水に浮かぶ訳では無いので継ぎ目のパテは出来るだけ省略、表面 の処理もエポキシ樹脂だけを塗るようにしました。また、ガラスクロスの手持ちが殆ど無いのでカーボンクロス使いました。
材はカヤックなんかでは3mm前後厚の板を使うようですが、エコランカウルなので耐水性とかも抜きで軽く!と言うことでシナベニヤの中で曲げベニヤと呼ばれる物で最薄の1.6mm厚の板をチョイスしました。
サブロク定尺で4枚買いましたが、12mmのランバーコアと3mmのラワンベニヤがオマケで付いてきましたw
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曲げシナベニヤ t1.6 |
見よう見まねで始めましたが、どっからどう考えても展開図の作図精度と切り出し精度が完成精度に影響するので珍しく3D CADでカウルの絵を描いて展開図を作成しました。2D CADで感性で翼型を描いたのをベースに断面図を作図し、3D CADに断面図を移して面を貼りました。なんか面倒くさいけど、3D慣れしてないのでこれが一番マシ・・・。
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3D CAD図 |
ベニヤは予め余裕を見てカットしておき、2枚を継いで長い材料を作ります。継ぎ方はスカーフジョイントがメジャーなようですが、時間が無くて面倒なので(?)斜めにカットして突き合わせ、CFテープをFRP積層して継いどきました。
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板の突合せ |
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突合せ部をCF 1ply+ピールプライ積層 |
作図した展開図をセブンイレブンのゼロックスでコピーしてベニヤに貼り付け切り出します。(印刷屋さんで大きく印刷すれば良いんですが、土日やってない・・・。)
切り出しはピラニアソーで行ったあと、左右の板を重ねてクランプしてからサンダで外周を削って仕上げ。
アンダカウルはスティッチ&グルーではなく、3mmの化粧ベニヤで作ったフロアに側板をグルーガンで仮止めしたあと、樹脂パテで角にフィレット →CFテープでオーバレイアップ。硬化後、4mmのシナベニヤで作ったフランジを5分間エポキシで接着→樹脂パテ→CF。
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切り出した床板+切り出して接いだ側板 |
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床板と側板を固定 |
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フランジを接着 |
アッパカウルは出来上がったアンダカウルにアッパ用のフランジ板を仮固定し、下部をアンダカウル同様に製作。
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展開形状に切り出した部材 |
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アンダー側をジグにアッパを組み立てていく |
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カド部をCFテープ+エポキシで積層 |
さて、ここからスティッチ&グルーですよ。
先に作ったアッパカウルの下部にパネルを銅線(1.0mmのマグネットワイヤ)でスティッチしていきますが、形状が保持出来なかったのでスタイロで断面形状を作って接着しておきます。
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しっぽのスティッチ |
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スタイロ断面 |
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スタイロ断面をガイドにしてスティッチ組み立て |
スティッチのやり方は完全手探りでしたが、出来る限り外より(5mm以内)、板が薄くて波打つのでピッチは細かい(20~30mm)方が良かったです。銅線をよっていくとあら不思議、形が決まってきます。
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銅線を通しただけ |
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屋根の部材を仮置き |
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スティッチして形を整える |
あとは内側の角をCFテープを積層。アッパは殆ど鈍角なので樹脂パテも省略。
側面から組み立てていき、屋根は左右2枚を先に仮スティッチしたものを本体に合わせて組み立てました。CFテープが硬化後、銅線をほどき、抜き取るor切るで処理します。
最後に裏、表面にエポキシ樹脂を塗ってコーティング仕上げとしました。
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スタイロ断面の端材を足にして作業 |
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全部のカドに積層した状態 (きたない) |
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カタチになった |
コーティングが硬化したら窓を超音波カッタで切り抜き→抜きカスをガイドに窓用の樹脂板を切り出し→両面テープとビニテで窓貼り。
あとはフレームとの固定具、アッパ~アンダを固定するフック、ロックなど作って完成。
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型紙を使って窓抜き |
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なかみ |
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なかみ |
中身のフレームは14年に製作したもの (14mk1)をベースに一部補強と、特電モータに合わせて設計されていたリア周りをミツバ Kt-Mに合わせて作り直したくらい。
特別な所はこれと言ってナシ。
7月に入ってから材を切り始める無謀なスケジュールでしたが、皆様の協力を頂いて何とか完成しました・・・。新しい工法を試すことで得られることは多かったですね!
2017年1月8日日曜日
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