制動力・安全性確保がレギュレーション改定の趣旨なのは理解できますが、個人的には『ディスクブレーキ』に固定する意味が理解できません。ディスクブレーキが絶対に制動力を確保できる手段では無いと考えます。おそらく、油圧リムブレーキ(マグラHS-33とか)の方が確実に制動力を担保できるでしょう・・・。
部品の種類を規制するなら『ディスクブレーキ』に縛るんじゃなくて、『油圧ブレーキ』に縛るべきだと思ってます。
しかし、エントラントのブレーキに対する意識に差があるのは事実です。以前より、ブレーキを安全部品として捉えていないのか、軽視している方がおられるのも事実です。
エントラントはより安全な車両を製作する義務があります。
と言うことで、ディスクブレーキしか使えなくなったとして、自転車用部品から選定する方法を書いておきます。
どうすればいいのかわからず悩んでる方に参考になれば幸いです。
1.部品選定
先ずは自転車の部品を勉強することが大事です。勿論、ディスクブレーキの部品を知っておく必要があります。
1-1.ブレーキディスクの種類
自転車用のブレーキディスクは外径が、φ120、140、160、180、203 [mm]のものが一般的に流通しています。ディスク厚みは大体2ミリで、φ140~がMTBで一般的に使うサイズで流通量が多いです。
ブレーキディスク固定方法は大きく2つの規格があり、
・シマノ規格センターロック
・P.C.D.44mm 6×M5で固定するもの(汎用規格、内径33 [mm])
です。
※シマノSLXの例 (出典:シマノ社website)
センタロック |
6穴 |
参考
1-2.ブレーキキャリパ
ブレーキキャリパは大きく分けて、・ワイヤ式
・油圧式
・上記のミックス
ワイヤ式のブレーキは比較的安価で、パッドクリアランスが広めに取れる気がします。
私のオススメは油圧式です。制動力がドライバーの握力に依存せず、コントロール性も高いです。
キャリパの横方向(軸方向)位置を調整するときや、パッドクリアランスを調整するときはパッドスペーサを使用します。
(ZDP Shopで売ってます)
2.ハブの選定
当たり前ですが、ホイール側はブレーキディスクが取り付けることが出来るハブが必要です。旋盤があれば自作することは容易ですので、市販品から選定するとして書いていきます。
現在、下記のタイプのハブを使用している場合はディスクブレーキの移行が容易です。
・MTB用ハブ : 勿論、ブレーキディスク取り付けが出来るもの
・ピスト用両切ハブ : ハブ両端にカセット(スプロケット)を付けるためのおねじが切ってあるもの
MTB用のハブならもちろん、何も考えずに直接ブレーキディスクが取りつきます。
シマノのハブであればシマノ規格のディスクであることが多いかと思います。
シマノ規格ハブに6穴ディスクを取り付けることは出来ます(アダプターが売ってます)。
上記以外のハブを使用している場合はハブを変更して、ホイールを組み直す必要があります。
ホイール組の話はここでは割愛しますが、自分でホイールを組む気力のある方はネットで別途検索してみてください。自分でやる気が無い方は自転車屋さんに頼んでください。
自転車屋さんからすると大変割りの悪い仕事なのは理解して依頼します。
引き受けてもらえるかどうかは自転車屋さん次第です・・・。
3.キャリパの取り付け
弊チームでは以前、電気エコラン用に下図のようなキャリパの保持を行いました。(この場合、キャリパは1ヶです)
後輪シャフトにキャリパを付けるブラケット(プレート)を取り付け、 ブレーキキャリパが車軸にぶら下がっているような構造です。
この構造ですと、ハブ(ブレーキディスク)とブレーキキャリパの横方向の位置関係は間違いなく担保されます。
このままでは回転方向に支えが無く、ブレーキとして成立しないのでトルクロッドでブレーキのトルクを受けます。プレートに対しねじれ(横方向の力)が掛からないよう、トルクロッドの端部はロッドエンドを使用するなどし、動きに自由度を持たせます。もしくは、プレートに回り止めを設けてフレームで直接回転を受けるなどします。
てか、バイクの後輪は同様の構造ですね・・・。
4.その他
以前にZDP池田さんに教えて頂きましたが、ブレーキディスク修正ツールは持っておくと便利です。ブレーキディスクを自作していたころは材質が悪くよく歪んだのでよく使いましたが、最近はあんまり使わんけど・・・。
Park Tool DT-2
以上、知ってることつらつら書いただけなので、突っ込み等、大歓迎です。
質問もあればどうぞ。
0 件のコメント:
コメントを投稿